第弐話 忠誠…先ほどのスウォームの攻撃で、街はパニック状態に陥った。 なんだなんだと音を聞いて家からでてくる住民達。 「…なんだ?今の爆音は…?」 その中には、今はここで暮らしているファントム・クラウンの姿もあった。 「…嫌な予感がする…」 彼は『カースドブラッド』を片手にもち、北門へ向かった。 …北門では、激しい攻防戦が繰り広げられていた。 いや、攻防というよりは、兵士側の一方的な攻撃…とも見える。 門の下方に取り付けられた巨大な弓『バリスタ』が火を噴き、アーチャー達の矢による鋭い一撃が炸裂していた。 だが、スウォームはその猛攻を物ともしない。 アーチャー達の放った矢はことごとく、その強靭な鎧…というよりは甲殻に近い皮膚に弾かれ、擦り傷すらつけることができない。『バリスタ』も同様だった。 門の上で応戦していた兵士の一人が叫ぶ。 「隊長!弓も『バリスタ』も全く効きません!どうすれば…」 「…『滅龍砲』を持ってこい!いくらなんでもアレは効くはずだ!早く!」 「しかし、あれは射程に問題が…」 「こんだけ近づかれて当たらないわけが無いだろう!早く持ってこい!」 「…ナンダ?アノ筒ハ…」 スウォームは飛行しながら、兵士達の持ってきた大砲に目を向けた。 「…マタ、人間達ノ貧弱ナ兵器カ…」 発射しようと、兵士の一人がかけより、弾を込めるのが見えた。 …面白イ。ドノ程度ノ破壊力カ… …我体デ、実証シテクレル。 そして、運命の砲撃は放たれた。 ジャンル別一覧
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